2009年11月15日

弘前劇場 2009公演

 
※追記あり(11月16日)

 
「 アグリカルチャー 」

作・演出/長谷川孝治

宣伝美術/デザイン工房エスパス


出演/
福士賢治 長谷川等
林久志 藤島和弘
永井浩仁 田邊克彦
濱野有希 柴山大樹
平塚麻似子 小笠原真理子

スタッフ/
長谷川孝治
野村眞仁
中村昭一郎
伊藤和人
ニシザワテツヲ(西澤徹夫建築事務所)
鈴木徳人
デザイン工房エスパス
製作:弘前劇場
 


11月14日(土)の札幌は大粒雨。
扇谷記念スタジオ・シアターZOOにて、19:00開場、19:30開演。

自分の家の畑で美味しい野菜が獲れる幸せ
自慢の野菜でカレーを作り、それを家族と食べる幸せ。
美味しいと評判のカレーをご相伴にあずかる幸せ。
いつもと変わらぬ風景から、何かが足りなってゆく。

――父と母の姿が、いつのまにかそこには無い――

その違和感は、“生きること”と同じくらい当然なことのもうひとつ、“死ぬこと”であるので、足りないことがどれほど悲しくても、気がつかないふりをして、残された者らは生きてゆく。
そしてその悲しみを癒すように、足りないところを埋めるように、もうすぐ新しい家族が増える。
家族とは、人数が減ったぶん増えてゆき、その度に少しずつ薄れる何かを忌み嫌い、なるべく気がつかないようにしながら継がれてゆくものなのだろうかと思う。

一所懸命、楽しく暮らしてゆこうとする愛すべき人々の、それぞれの葛藤や無言の叫びの理由を知りながらも、手を差し伸べることはもちろん、頷くことすら出来ず、ただ息をひそめて見守るしかない我々は、やはり無力の神なのだろうと思う。
1時間40分、無力であることの切なさを思い知る。



今回も素晴らしい演技を見せてくれた役者の皆さんに、個別の評を書くとネタバレに繋がるおそれがかなりあるので、お一人だけ、当たり障りの少ない(といいつつじつは重要かも)ところを。

田邊克彦さん演ずる五反田良介の持つ狂気性(誰もが持ちうるものではある)が、『鈴木先生』に見えてしかたがなかった。なんとなく顔も似てたし。



来年、1月から3月にかけて、ヒロゲキさんが再演と新作を引っ提げて、二回の公演を行う予定があるとパンフレットに書かれてあった。
非常に嬉しい。
 


追記:

“ヒロゲキ”が縁でお邪魔するようになった『別冊社内報』さんでも、今回の舞台を取り上げておられます。
同日のエントリーにわたくしが寄せたコメントは、「養蜂家」の独白について少々辛口となっています。
それはもちろん、あくまで手法に対して難癖をつけただけで、福士賢治さんの演技がどうこうではありません。福士さんはいつもどおり最高でした。
よろしければご覧になってみてください。
 


  
posted by 末広亭柏倉恭三 at 12:58| Comment(2) | 連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月24日

山田深夜の新連載『ロンツーは終わらない』

※追記有り(2009/10/26)
 
本日、『問題小説』(徳間書店刊)11月号を購入。
帰宅し、昼食を摂ったのち、袋を開けて件の文芸誌を手にする。
表紙には縦書きされた見出し(でいいのかな)がある。

――新連載バイク小説
山田深夜 [ ロンツーは終わらない ]――


まず、この新連載は「バイク小説」という括りになるのかと思う。
確かに、“ロンツー”と言われても多くの人々はピンと来ないだろう。バイクに乗っている者、それもツーリングと呼ばれる種類の“乗り方・接し方・使い方”をする者にしかわからない言葉だ。
以前に掲載された(2008年12月号)『リターンズ』はミステリーとして高い評価を受けただけに、また「バイク小説」で括られることに、前進ではなく後退をイメージしてしまうのは仕方ない。

但し、この11月号を書店で手にする人々は、大きく分けて二通りになるとも思う。
ひとつは『問題小説』を読み続けている人、もうひとつは、山田深夜の新作を心待ちにしていたファン、だ。
約一年前の読み切り短編を覚えている『問題小説』の愛読者は、思った以上に多いのではないか。「この作家はあの『リターンズ』を書いた男だな」と。そして、「バイクは好きじゃないが(その逆も有る)、読んでみる価値はあるな」と。
だから、“バイク小説”と一言で括られても、それは「ただバイクが出てくる小説では終わらないだろう」と、プラスに働くかもしれない。もちろん、山田深夜ファンにとっては言うまでも無い。なにしろ、この日本に“バイク小説を描ける”作家は、山田深夜をおいて他に無いのだから(と思う)。

この辺はもう少し語りたいのだが、このままでは表紙から先に進まないので、とりあえず表紙をめくることにする。

勢い余って目次を通り越し、巻頭グラビアが目に入る。

はて、なぜここに若き日の志賀勝さんが……というか、これまた名優であるブライアン・コックスさんへ年々増してゆく激似っぷりといったらもう。

横で遊んでいた息子(小学一年。一昨年の春に深夜さんと会っている)にグラビアを見せる。

「ほら、深夜さん載ってるよ」
「ほんとだ! なんで本に出てるの!?」
「深夜さんは小説を書くのがお仕事だからだよ」
「え〜っ、そうだったんだあ……」
「……何か悪いお仕事をしてる人だと思ってた?」
「何で(笑)思ってないよ」

という与太郎親子の会話もさておき。
新連載作品の第一回のレビューを書きましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
読まないと損するよ。





以上ッ!!









で、終わるわけには行かないだろうから、ここからネタバレです。


とにかくね、これは面白い。
いつもの深夜節に、ロード・ムービー(ノベル)ならではの良い意味でのお約束が満載。
融通の利かない硬い岩のような男と、今のところひ弱そうな謎の青年、それを追うおそらく悪役であろう二人組(しかもマルクス・ブラザーズ系の兄弟)。
初っ端からここまで詰め込んで大丈夫なの? と心配をするフリをしつつ、こりゃ深夜さん、かなりノッて書いているな、挨拶代わりにブチかましてくれたなと思わされる第一回でした。

これからどうなるのか、心の準備の為に何回くらいの連載で終わるのか、今回もスターシステムを取り入れてくれるのか、だとしたら誰が登場するのか、知りたいことは次々と明かされていくのかいかないのか。

毎月22日が待ち遠しくなりそうです。
 
※追記
大事なことを書き忘れておりました。
第一章のタイトル「ローリン・アンド・タンブリン」なのですが、これには大きな意味があるような気がしています。
ブルースに詳しくないわたくしが、いつも好き放題に書いている拙ブログとはいえ、ここでその意味をあれこれと詮索するのは憚られますので、連載を読み進めつつ探っていこうと思います。
  
 
posted by 末広亭柏倉恭三 at 22:15| Comment(0) | 山田深夜の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月12日

検索で来られた方々へ

 
何の因果か、ウチのような休業状態の弱小零細ブログに辿り着かれた方々へ、検索ワードに対するお答えのようなモノをしてみたいと思います。




1位:山田深夜

やはりこのワードが一番多いですね。
深夜さんについて何を知りたいかといえば、やはり新刊や新連載などについてでしょうか。
それらについては公式サイトでの告知を待たれるのも、ひとつの愉しみではないかと思います。何か動きがあれば、大体は告知して下さいますし。
ほぼ週イチ更新の日記の過去ログは、いつからか閲覧出来ないようになりましたが、もしや単行本化に向けての著作権云々も有り得るのではと、これまた楽しみにしています。
(以前はミクシィに『山田深夜コミュニティ』がありましたが、2008年10月に発展的解散をしています)



2位:山田百次

奇しくも“山田さん”が二名続きました。
こちらも公式ブログをご覧になったほうが情報は早いです。
百次さんは専業役者を目指して上京されてから、途切れることなく様々な舞台に上がられ、映画出演までされています。更に来年早春には劇団まで旗揚げされます。
ますますのご活躍を楽しみにしています。

山田百次さんといえば弘前劇場繋がりで、青海衣央理さんや工藤早希子さん、乗田夏子さんのお名前を検索して来られる方も少なくありません。衣央理さんは先の舞台の東京公演が始まった途端、複数人が検索で来られました。テレビでレギュラーをお持ちの乗田さんは言わずもがなです。
こちらもそれぞれのブログをリンクしておきます。
工藤早希子さんについては俳優座研究生(※)の第21期生でお調べ下さい。
(※関係ないけど5期と6期に仮面ライダーの桐生豪氏と財津原蔵王丸氏がおられますね)




3位:マルチハンドルポジションバー

自転車のハンドルの種類のひとつです。
インプレらしきものを書くとすれば、バーハンドルよりも取れるポジションは多いが、ドロップハンドルのそれには及ばない、といったところでしょうか。この中途半端な辺りが、マルチを装着する自転車を滅多に見ない理由なのでしょうね。
なので、走るのがオンロードばかりならば、わたくしはドロップハンドルのほうをお薦めします。逆にオフロードを走ることもあるならば、マルチはなかなか使える子です。
ちなみに、スポンジグリップは整髪用ムースをハンドルに塗ってから被せると、スルスルいけますよ。でもハンドルをぎっちり握らなければならない走りをする方には、バーテープをお薦めします。のんびりライドにはスポンジグリップはソフトな感触で心地良いのですが、ヒルクライムなどではチカラが入りません。
 
 


4位:シュマーグ

アラブ風のスカーフです。一枚あれば風呂敷なみに使えます。
巻き方は更なる検索でどうぞ。幾つかマスターしているのでウチで説明しても良いんですが、やめておきます。
必然、モデルはわたくしということになるので、わたくしの不細工な顔など誰も見たくは無いでしょう。




5位:スラッパー 使い方

覚えて護身にでも使われるのならいいのですが、持ち歩いているところを警察にでも咎められたら、ナイフ以上に言い訳はきかないと思われます。日常の道具と違いますからね。

さて、わたくしは血腥いことに詳しくないので、詳しい人に代わりに答えていただきます。Aさん(仮名)どうぞ。

「護身の為にこの手の武器に頼らなければならない状況というのは、それはおそらく、貴方の見た目がひ弱であり、相手は複数でしょう。ならば、武器の効き目は最初の一撃にしかないと思って下さい。経験上、最初の一人を救急車が必要なくらい痛めつけられれば、他の者は冷静になって退きます。攻撃箇所としては手や足を狙って打ちつけられればいいのですが、貴方は武器の扱いや喧嘩にそれほど慣れていない。なので、顔や頭などの狙いで、一撃で殺すくらいのつもりで打ちつけないと、二打目の前に反対に袋叩きにあいます。そして、スラッパーよりも長い武器を相手が持っていたら、まず敵いません。では護身用として何が有効なのかといえば、それは検索で出てきたこちらを読めば分かります。暗いところでなら、相手から得物を見極められることはまずありません。ただし、自分の頭をカチ割わることのないよう、巻き藁相手の練習やシミュレーション、イメージトレーニングだけはじゅうぶんにして下さい。最後になりましたが、全力で逃げる、という手段を最初に試すのも忘れないで下さいね」

だそうです。
Aさん、ありがとうごいざました。 




寿郎社

ちょくちょくこのワードで来られる方がおられるのですが、深夜さんの時みたいなことでもない限り、ウチに来ても何も無いですよ。
出版物についての情報ならばホームページをご覧になるのが一番手っ取り早いですし、万が一、あなたが作家志望で小説作品の持ち込みを考えておられるのなら、やめておいたほうがいいです。
その理由はこちらに書いてあります。
読んでわからなければ、作家になることそのものをやめたほうがいいです。
 
posted by 末広亭柏倉恭三 at 00:23| Comment(0) | 徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月05日

少年の夏

 
8月3日、夏への扉を開いた。




息子と二人で、安足間、上川、丸瀬布と、二泊三日で走った。

途中、砂川の北海道子どもの国や北竜町のひまわり畑、当麻鍾乳洞、北海道アイスパビリオン、旭山動物園、深山峠のトリックアート美術館を観光スポットとして組み込んだ。

子どもの国は、息子の遊ぶ姿を見ているだけでこちらも楽しめた。
ひまわり畑は五分七分咲きだったが、それでもきれいだった。
当麻鍾乳洞は今の息子とそう変わらない年頃に訪れており、懐かしかった。
アイスパビリオンはアイヌモシリ、ポンモシリと呼ばれていた遊園地の頃とすっかり様変わりし、熊牧場も寂れ果てていた。
旭山動物園には沢山の動物がいて、円山動物園より楽しいと息子は言っていたが、もう一度行くなら旭山よりも子どもの国が良いらしい。
トリックアート美術館では、トリックアートならではの楽しみ方を息子は速攻でマスターしていた。





江差牛山.JPG

安足間の家は崩壊寸前で、物置は完全に潰れていた。
何より、そこまでに至る道の軟らかさと高枝の濃さが最早、人の住まう様相ではなかった。
車を切り返した僅かな空き地の横に、家から運び出した使いようの無い家財道具が積まれていた。
赤錆びた達磨ストーブを見ながら、これに火が入っていた頃を。
誰にも使われなくなった鍋を見て、伯母がわたくしにカレーライスを作ってくれたことを。
ここにかつて住んでいた家族と、そこを訪れることを楽しみにしていた子供のわたくしを思い出していた。

伯父が切り拓いた山は、また元の姿に戻ろうとしているのかもしれない。

越時峠のエゾニュウ.JPG

すっかり走りやすくなった越路峠を抜けて上川の街へ下る。
ここの家はもうとうに無くなっている。
ちょっとした観光地として売り出していた街のはずだったが、旭川紋別道路が少しずつ開通しているせいか、国道を走る車もほとんど無かった。
峠道に隣接している施設で、少し遊んだ。

エスポワールの鐘.JPG

昔より小さなバッタが飛んでいた。
息子が「おっきいバッタがいた」と喜んでいた。
小さかった頃のわたくしの目と、今の息子の目は、同じなのかもしれない。

丸瀬布に入ると木を製材する匂いがした。
伯母夫婦は留守だったが、庭が裏も表も相変わらず丹精されているので元気でいるのだろう。
わたくしがお小遣いを握り締めて通った、すぐ裏にある書店兼文房具店兼オモチャ屋は、まだそこにあった。
湧別川は役場の裏を滔々と流れていた。

柏倉家の墓.JPG

柏倉の墓を訪れ、息子を紹介した。
少し掃除をして、また来るよと丸瀬布を後にした。

息子は「おとうさんのふるさとなの」と訊いて来る。
先週の『毎日かあさん』で、かあさんが訪れた“ふるさと”が頭にあったようだ。
「きっとね、子供の頃の楽しい思い出のあるところを、“ふるさと”って言うんだよ」と答えた。
だから、安足間と上川と丸瀬布は、おとうさんのふるさとなんだよ、と。

越路峠にある湧き水を水筒に汲み、その日の飲み水にした。
息子はおいしいおいしいと飲んでいた。
水は翌朝まで冷たくて、美味しかった。

二日目の夜、寝る前に息子が、「眠たいんだけど、楽しかった日が終わっちゃうから寝たくない」と言った。

今回の旅で訪れた土地の幾つかが、息子にとってもふるさとのひとつに成れれば嬉しい。
人の手によって作られたものはいつか朽ち果てても、そこにあった思い出は心に焼き付けられ、色褪せても決して無くならず、いつか息子が今回の旅での、朽ちた家と錆びたストーブを見つめるわたくしの横顔を思い出し、理解し、受け継いでくれればと願う。





『北海道 子どもの国』ヤッホーの森にて。
今度は一日中、ここで遊ぼうね。
子どもの国.JPG 


北竜町のひまわり畑で、ひまわり号に乗って。
向日葵畑.JPG


当麻鍾乳洞にて。
一億年以上前から、ここにあった。
当麻鍾乳洞.JPG


北海道アイスパビリオンにて。
冬は施設外のほうが寒いかもしれない。
アイスパビリオン.JPG


旭山動物園、しろくま館にて。
息子としろくまさんのツーショト。
旭山動物園.JPG


トリックアート美術館にて。
書家のおじさんの邪魔をしようとしている息子。
トリックアート美術館.JPG
 
 
posted by 末広亭柏倉恭三 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 父子鷹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月28日

わかるヒトにだけわかればいい日記です。

 
“座付”で時折お名前が挙がる方や、ブログをやっている方や、そこに書き込まれる方、プロダクションに所属している方などは近況が掴みやすくて、お元気そうで良かったなあと思えるのだが、そうではない方などは、今頃どうしておられるかなあと。

と、そこへ7月27日の“俳優”ですよ。

ああ、男のお子さんだったんだ、何よりご家族皆さんお元気そうで良かった良かった、と思ったのでした。

いえね、あれはきっと蘭ちゃんだって、そう思い込んでるって話です。
 
 
posted by 末広亭柏倉恭三 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする